日本の亜種ライチョウ(雷鳥)
日本の生息地
日本には亜種ライチョウが本州中部地方の高山帯 (頸城山塊(火打山・焼山)、飛騨山脈(北アルプス)、御嶽山、乗鞍岳、木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)) のみに生息する。蛙に似た鳴き声を発する。日本の生息地が、ライチョウの南限である。日本国内の、現在の分布北限は新潟県頸城山塊の火打山と焼山、分布南限は赤石山脈(南アルプス)のイザルガ岳である。
日本の生息数
2005年の調査によれば新潟県頸城山塊の火打山と新潟焼山に約25羽、北アルプス朝日岳から穂高岳にかけて約2,000羽、乗鞍岳に約100羽、御嶽山に約100羽、南アルプス甲斐駒ヶ岳から光岳にかけて約700羽生息しているとみられる。日本国内では合わせて約3,000羽程度が生息していると推測されている。2007年には南アルプス北岳で絶滅したとの報告があったが2008年には生息が再確認されている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本のライチョウの生息数についてはさまざまな推測があります。1980年代には約3,000羽、2000年代には2,000羽弱に減少したと推定されています。現在(2023年)の状況について、ネットでいろいろ調べてみましたが、明確な情報は見つかりませんでした。いずれにせよ、日本におけるライチョウの生息数は非常に少なく、そのため国の特別天然記念物であり、絶滅危惧種に指定されています。
生息数が少ないことに加え、山岳信仰が根強い日本では、高山に生息するライチョウがかつて神の使いとして崇められてきました。そのため、登山中にライチョウと出会うと、「幸運だ!」と思い、テンションが一気に上がります。また、その愛らしい姿にも惹かれ、ライチョウを見つけるとすぐにカメラやスマートフォンを構えて撮影会が始まります。ライチョウはまさに山のアイドルと言えるでしょう。
このブログのタイトルは「日本のライチョウの生息地」ですが、もちろん私がライチョウの生息地を調査しているわけではありません。登山歴10年以上の私が、登山中に出会ったライチョウの写真とその生息地をこのブログで整理してみました。今後、新たな出会いがあれば、ここで随時追加していく予定です。
北アルプス
立山・室堂平遊歩道
2010年6月25日、立山室堂平遊歩道で撮影したライチョウのオスです。これは私にとって、ライチョウとの初めての出会いでした。この時期はライチョウの繁殖期であり、近くに抱卵中のメスがいる可能性があります。オスは木柱の上で見張りをしているように見えました。

常念岳・山頂付近
2012年7月8日、常念岳山頂付近で撮影したライチョウのカップルです。ヒナの姿は見当たりませんでした。時期的には、ヒナがまだ幼くて巣から出られない可能性も考えられますが、繁殖が失敗してしまった可能性もあります。


爺ヶ岳・南峰付近
2012年8月25日、爺ヶ岳・南峰付近の稜線にて撮影。秋が近づくと、ライチョウは秋羽に換羽し始め、オスとメスの判別が難しくなります。この写真のライチョウも、オスかメスか判別しにくい個体です。目の上にわずかに赤い部分が見えますが、体羽の特徴から推測すると、メスである可能性が高いと思われます。


実はこの日、2羽のライチョウを目撃しました。ただ、距離が遠く、私が持っていたカメラの望遠レンズの最長焦点距離(200mm)を使っても、撮影できるのはこれが限界でした。そのため、あまり良い写真を撮ることはできませんでした。別のカットを見ると、もう1羽は幼鳥である可能性が高いようです。8月下旬の幼鳥がどの程度成長しているのかわかりませんが……。
また、そのほかのライチョウは見当たりませんでした。ライチョウのヒナの生存率が低いと言われる中で、もし幼鳥が本当に1羽しかいないのだとしたら、それはとても悲しいことですね。


鹿島槍ヶ岳・南峰付近
2019年7月28日、鹿島槍ヶ岳南峰山頂直下の登山道で出会ったライチョウの親子。この日は悪天候で雨も降っている中、写真はiPhoneで2枚しか撮れませんでした。その代わりに、短いですが映像を撮影しました。

剱岳・別山乗越
2019年9月14日、山小屋「剱御前小舎」と剱沢キャンプ場の間の中間地帯で、ライチョウ1羽を発見しました。この日は天気が良かったため、ライチョウは草の中に身を隠しており、あまり良いシャッターチャンスには恵まれませんでした。

唐松岳・丸山付近
2022年10月16日、唐松岳登頂後の下山中、丸山と八方池の間でライチョウのファミリーを発見しました。この時期、ライチョウのお腹の羽毛はすっかり白い冬羽に変わっていました。




写真を見ると、この時周囲にはガスがかかっていることがわかりますが、実は午前中は天気がとても良かったのです。そして何より、風がほとんどなく、そのおかげで八方池で一生に一度の絶景を撮影することができました。よろしければ、以下のブログもご覧ください。
宛如仙「镜」、神様の鏡――北アルプス八方池
中央アルプス
中央アルプスでは、およそ半世紀前にライチョウが絶滅したとされていました。しかし、2018年に木曽駒ケ岳(標高2,956メートル)でメス1羽の生息が確認されました。これをきっかけに、中央アルプスをライチョウの生息地として復活させるため、環境省のプロジェクトが始動しました。2023年4月から7月にかけて行われた環境省の調査によると、現在、中央アルプスには約80羽が生息していると推測されています。
木曾駒ヶ岳・中岳

2022年7月31日、中岳から木曽駒ケ岳山頂に向かう下り道で、ライチョウ1羽を発見しました。理由は忘れましたが、今回の登山ではカメラを持参していませんでした。さらにライチョウとの距離も遠かったため、iPhoneで撮影した画質の悪い写真しか残せませんでした。
南アルプス
仙丈ヶ岳・山頂付近
2015年7月20日、仙丈ヶ岳の山頂付近の登山道で、ライチョウの親子に出会いました。当時の状況はあまり覚えていませんが、写真を見ると、ライチョウがこちらを向きながら歩いている様子が写っていました。人を恐れない「神の鳥」と言われるのも、よくわかる気がしますね。

ライチョウのヒナ、本当にかわいいですね。


人を恐れないとはいえ、やはり野生の本能でしょうか。この後、登山道から離れていき、母鳥がこちらを警戒している様子が見られました。
