2023/07/15 北アルプス縦走1日目(折立~太郎平小屋):ほぼずっと登り坂

登山&旅行
太郎平小屋

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急登の太郎坂

2016年9月24日
2023年7月15日

「太郎山を経て薬師に至る」
この木柱の前に立つのは実は7年ぶりです。
木柱に書かれた文字は7年前よりも読みにくく、木柱自体もさらに傾いているように見えます。時間の経過を感じられますね。

今回の三泊四日の縦走も結構久しぶりです。コロナ禍の原因でほぼすべての山小屋が宿泊人数を制限して予約制を導入した結果、なかなか予約を取れなくて山行の計画を立てない状態が続きます。なので今年は気合が入って結構前に計画を立てて、4月頃山小屋の予約を開始してからすぐ宿泊予定の山小屋の予約を取りにしました。それなのに結局野口五郎小屋の予約を取れなかった。仕方がなくもともと裏銀座の縦走計画を変更し、折立から入山するになりました。

そしてもう一つの久しぶりは毎日新聞の登山バスを乗ること。やはり山小屋の宿泊人数制限のせいか、集合地点の竹橋駅の毎日新聞社、コロナ禍前の大盛況と比べると、登山客が少ないと感じます。

天気は予報通り。バスが登山口に到着時の6時台、小雨が降ってましたが、登山の準備を整えて出発するの7時台、雨が止みました。その後も一度も降っていません。

登山道をちょっと歩いたところ「十三重之塔」があります。昭和38年(1963年)の豪雪の冬に、薬師岳登頂を目指し遭難した愛知大学山岳部13人の霊を慰める慰霊碑です。

最初の太郎坂は結構の急坂。途中1本の巨木に出合いました。後程いろいろ調べましたが、特に情報を見つかりませんでした。その代わりに、ほかの面白い情報を見つかりました。

折立薬師岳登山口の左手と正面、胸高直径175cmと170cm、富山県内第2位と第3位の巨木があります。そして有峰を代表する巨木として、それぞれ「薬師花子」と「薬師太郎」に命名されました。ちなみに樹種は「ミズナラ」です。

私は折立薬師岳登山口を訪ねるのは今回は3回目だが、こういう巨木があるなんて全然気付かなかった。次にチャンスがあれば、是非確認したいですね。

登山口から太郎坂を1時間半ぐらい登って出合った巨木

太郎坂を登り切ると草原を現れて景色も開ける。坂も緩やかになって登りやすくなる。今回の山旅について、私にとって一つの重要任務はいっぱいのお花の写真を撮ることです。花といえば、このあたり目立つのはやはり見頃を迎えるニッコウキスゲですね。

ニッコウキスゲ
コバイケイソウ

ちょっと気になるのは、今の時期コバイケイソウも見頃に迎えるはずが、大群落が見られなくて、ちらほらしか咲いていないです。やはりこのあたり今年ははずれ年かな。

今回の山旅撮った花の写真は下記の記事に纏めました。良かったらご覧ください。
日本北アルプス(北部)の高山植物
日本北アルプス(南部)の高山植物

気持ちいい草原地帯

樹林帯を抜けたら気持ちいい草原が現れる。曇り空だが遠く在峰湖が見えます。

広い草原地帯
有峰湖

折立太郎山線歩道整備工事

五光岩ベンチまで一部の登山道が整備工事を行っています。整備完了した部分はちょうどいい段差と歩幅、本当に歩きやすくてありがたいですね。

標高を上がると何だか段々雲に近づいてる感じ。薬師岳は勿論雲の中、全く見えない。そして午後1時半頃、5時間半をかけてようやく今日の宿泊地太郎平小屋に到着。途中の休憩と花撮影の時間を考慮すると、ほぼ標準のコースタイム(5時間)通りです。実は今回の登山、私は一つ大きなミスをおかした。以前心をかけていた「軽量化」のこと、今回のような長期縦走は久しぶりのせいか、ちょっと忘れていて余計の荷物が多すぎて、ザックが結構重いです。初日の行程は比較的に短くてそれほどハードではないのおかげで、時間的に影響が出ていないように見えますが、実は結構しんどかった。

太郎平小屋

私は足が遅いので、山小屋に到着する時同行の友達はすでにチェックインして山小屋に入りました。山小屋食堂の昼営業は14時まで、なので私は小屋に入れずにすぐここの名物「太郎ラーメン」を注文しました。個人的な感想ですが、スープはおいしいといえますが、ラーメン自体はごく普通のラーメン。でもやはり山の上で食べるラーメンはよりおいしい感じますね。

行者にんにくは山菜?
食堂の注文受付のところちゃんと説明文を貼り付いていますが、自分は写真を撮るとき全然気付かなかった。この前に完全に行者が食べていたにんにくだから「行者にんにく」を名付けたと思いました。自分はラーメンを食べている時、「あれ、にんにく入っていないな~」と思いました。(笑)
「行者にんにくとは?」
「にんにくの香りのする山菜です。」
了解です。勉強になりました。(笑)

田部重治
 写真は見づらいですが、山小屋の看板の下部「田部重治」という名前が書いています。ちょっと気になって調べた結果、田部重治氏は日本の英文学者・登山家、昭和40年に「太郎平小屋」の看板を書きました。もしこの看板は当時のものだとすると、58年の歴史がありますね。

太郎平小屋の歩み
 太郎平小屋の歴史は、大正12年に登山家の伊藤孝一氏が建設した「上ノ岳小屋」に始まります。昭和7年には、芦峅寺の志鷹範次が上ノ岳小屋を解体し、有峰からの旧道が稜線に出たところ(旧薬師峠)へ移築しました。しかし、昭和20年以降は管理者の無人状態が続き、小屋は荒れるにまかせたままでした。

 昭和30年7月中旬、かねてから山小屋建設の意思を持ち続けてきた五十嶋文一氏によって太郎小屋は再興されました。2年目の昭和31年に太郎小屋は無残にも半ば倒壊しましたが、その年の7月中旬、上ノ岳から移築した旧太郎小屋跡に再建しました。
 昭和32年に折立から太郎兵衛平までの新登山道(現在の太郎坂)ができ、登山者の利便性を考慮して、昭和33年に現在地へ移転新築しました。
 昭和40年、太郎小屋を太郎平小屋と改めました。英文学者の田部重治氏が「太郎平小屋」の看板を書きました。以後、太郎平小屋は登山者の安全と環境保全の面から改築と改装を重ね、現在に至っています。
【出典 富山市公式ウェブサイト】

のんびり

昨日夜行バスの中で意外とよく寝ました。元々夕食前に山小屋で仮眠をとる予定ですが、眠気が全くないので、小屋の周辺を散策しました。

薬師峠に続く木道。振り返ると太郎山と太郎平小屋の赤い屋根が見えます。
太郎平キャンプ場(薬師峠キャンプ場)。幕営数についてホームページ上では100張です。写真を撮ったのは14時半頃、40張くらい張ってまだ余裕があります。

太郎平キャンプ場の手前で折り返して、今度は反対側の薬師沢方面にちょっと歩きました。そして嬉しい発見、数か所の花畑があって、色んな花が咲いています。ここで写真がいっぱい撮りました。実はここは明日高天原山荘に向かうルートです。もし今日気付かなかったら、明日長丁場なので、そもそも鈍足の私、さすがにこんなにゆっくり写真を撮る余裕がないと思います。(笑)

こんなのんびりの時間は本当にいいな、贅沢すぎる。この前の登山はやはり登頂にこだわっていましたが、最近は別に登頂しなくてもいい、のんびり山の時間を過ごしたいと思いました。

夕食の後、夕日を見るために友達と一緒に山小屋の近くの太郎山を登りましたが、厚い雲を覆われて見れなかった。私は先に諦めて小屋を戻りましたが、実は小屋の前にちょっと高度が下がったのは原因か、逆に青空と夕日をちょっとだけ見えました。

追伸

あくまで個人の感想ですが、太郎平小屋の食事は普通、平均点くらいと思います。

太郎平小屋の夕食
太郎平小屋の朝食

もうちょっと山小屋のことを書きたいですが、やはりレポが苦手。結局いままだ鮮明に覚えているのは、寝所の個室の名前は「コバイケイソウ」。(5人グループなので、寝所は大部屋ではなく、個室に分配された。)もう一つ印象を残ったのは、食堂昼営業注文受付のところと洗面所に貼り付けていたイラスト、面白くて上手です。

洗面所のイラスト

2023/07/16 北アルプス縦走2日目
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日本北アルプス(北部)の高山植物
日本北アルプス(南部)の高山植物


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