➡ 白山登山:試練を乗り越え、満願の旅 ①
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2023/08/11 2日目:南竜山荘 ~ 御前峰 ~ 南竜山荘
両足の膝の状態は、思ったよりも深刻でした。夜寝る際、膝を少し曲げただけでも痛みを感じ、一晩寝ても朝起きてもその痛みは消えませんでした。
昨日はあのような状況で予定していた別山も登れず、満足できる花の写真もほとんど撮れませんでした。だからこそ、せめて日本三霊山参拝の満願だけは果たしたいと思います。
展望歩道
南竜山荘から室堂に向かうルートは4つあります。私は今回も一番お気に入りの展望歩道を選びました。連泊したのはやはり正解でした。不要な荷物を山小屋に置いていけたので、ザックがかなり軽くなりました。そして何より、天気が良く、時間にも余裕があります。膝の様子を見ながら、まずは室堂に向かいます。

歩き出すと、やはり膝に軽い痛みを感じます。ただ、昨日と違って時間に余裕があるため、不安を抱えつつも落ち着いてゆっくり歩くことができました。
昨日と同じなのはトンボの多さです。周囲にはとんでもない数のトンボが飛び交い、登山道にもよく止まっています。
近づくと逃げるトンボがほとんどですが、中には足をすぐ近くに置いても全く逃げる気がないトンボもいます。踏まないように注意を払いながら歩きました。品種としては、多分「アキアカネ」だと思います。




満願
天気が良すぎて、昨日帽子を風に飛ばされてしまったせいで、日差しが直接顔に当たり、痛いほど暑く感じます。
室堂ビジターセンターに到着後、すぐに売店で「帽子はありますか?」と尋ねましたが、結局ありませんでした。この前に南竜山荘でも聞いてみましたが、そちらでも帽子は売っていませんでした。
アウトドア向けの帽子や服は基本的にUVカット機能があり、帽子・長袖・長ズボンを着用していれば日焼け止めクリームを塗らなくても大きな問題はありません。以前の登山では念のため日焼け止めを持参していましたが、今回は軽量化のため持ってきていません。
これでは日焼けを避けられませんね。仕方がありません。


そして、ようやく白山奥宮を参拝し、御朱印をいただきました。
富士山の時は日帰りで行きましたが、それでも今回ほど苦労することはありませんでした。なぜ山の神様は私にこんなにも試練を与えるのでしょうか?満願の最後の一座だからこそ、簡単には満願させないということでしょうか。
とりあえず満願を果たすことができ、ほっと一安心しましたが、実は試練はまだ終わっていないのです。
御前峰

膝の調子は改善されていませんでしたが、まだ行けると感じました。そして、地図のコースタイムの1.5倍の時間をかけて、ようやく白山最高峰の御前峰に登頂しました。
山頂には大勢の登山者がいて、とても賑やかでした。ここは最高の展望台で、多くの人が遠くに見える北アルプスの峰々の中から名だたる名峰を探していました。私もカメラの望遠レンズを通して、名峰を探す楽しさを満喫しました。






続く試練
池巡りのため、いったん反対側の急坂を下りました。しかし、その途中で急に左足の膝の状態が悪化しました。膝を大きく曲げると激しい痛みを感じます。やはり下りは膝により大きな負担がかかってしまったのでしょうか。それにしても不思議なのは、右足の膝は逆に前より調子が良くなったことです。
原因はよくわかりませんが、これは私にとって救いでした。もし両足の膝がこんなに痛くなっていたら、下山できなくなっていたかもしれません。

このあたりはイワギキョウとミヤマリンドウの群生地で、今年もたくさん咲いていました。


もともとペースが遅い上に、さらにペースダウンしてしまいました。室堂に戻ったのはちょうど13時。室堂の食堂のラストオーダーは12時45分だったため、昼食を取る予定が間に合いませんでした。仕方なく売店でカップヌードルを購入。疲れた体が塩分を求めていたのか、カップヌードルが普段より何倍も美味しく感じられました。
室堂で長めに休憩を取り、ゆっくりと南竜山荘に戻りました。



昨日の夕食のメインは鶏肉でしたが、今日はハンバーグでした。2日間で違うメニューが出るのはありがたいですね。(写真を撮り忘れてしまいました。)
そして、普段は山の上で高山病を恐れアルコールを控えめにしていますが、今回は誘惑に負けて生ビールを注文してしまいました。
このくらいなら大丈夫でしょう。
飲み終わった時に気づいたのですが、こちらのコップがどうやらコラボ仕様のようで、普通に持ち帰りたくなるくらい素敵でした。
明日は下山のみですが、やはり膝の状態が心配です。右足の膝が今日の調子を維持できれば何とかなると思います。今日はとりあえず、ゆっくり休むことにします。
2023/08/12 3日目:南竜山荘 ~ 別当出合
まだ続く試練
朝起きると、左足の膝の状態は変わらないままでしたが、幸いにも右足の膝の調子は良好でした。ただ、南竜山荘を出発して間もなく、またしてもアクシデントが起きました。頭が木の枝にぶつかってしまったのです。
もし帽子をかぶっていれば、膝の痛みで歩行が遅いこともあり、この程度の衝突なら少し痛みを感じるだけで済んだと思います。しかし、よりによって帽子をなくしてしまったため、頭が直接木の枝に接触して擦り傷ができ、少し血が出てしまいました。
どうやら山の神様からの試練はまだ終わっていないようです。

軽い擦り傷だったので、血はすぐに止まりました。そして、なんとか10時10分頃に別当出合に到着し、10時20分発のシャトルバスに間に合いました。別当出合の鳥居をくぐった際、思わず振り返り、山の方に一礼をしました。
帰宅
ここでようやく山の神様が与える試練は終わったのかもしれません。市ノ瀬であのスタッフさんと再会し、再び感謝の気持ちを伝えました。11時発の松任駅行きのバスに乗り、順調に新幹線や電車に乗り換え、何事もなく家に帰宅。この3日間で一番順調だった時間を過ごした気がします。
そして、不思議だったのは、東京駅で電車を乗り換える時に左足の膝がだいぶ回復していたことです。昨日一晩の休息よりも、バスの2時間と新幹線の2時間半の休憩の方が効果があったなんて、一体どういうことでしょうか。
日常生活に戻ると、環境が違いすぎて、数日前の山の記憶がまるでずっと昔の出来事のように感じてしまいます。ただ、ひとつだけ鮮明に覚えています。それは、市ノ瀬ビジターセンターのスタッフさんに「来年また来ます」と言ったことです。
もし本当に来年また行くことがあれば、山の神様は今度こそ微笑んでくれるでしょうか?
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